矢口 健(やぐち・けん)―2024年中途入社
データリカバリー事業部アドバイザーグループ チーム長。データ復旧に関する初回問い合わせの窓口として、電話・メール対応を担当し、状況のヒアリングから機器お預かりまでの案内を行う。現在はチーム長として、フロントメンバーの状況・数字を見ながら案件の割り振りやフィードバック、モチベーションのケアにも関わっている。
■インサイドセールス・アドバイザーの役割とは
――まず最初にアドバイザーの役割を教えてください。
矢口:「データを復旧したいけれど、どうすればいいかわからない」と悩んでいるお客様に寄り添い、最初の一歩を踏み出してもらうご相談窓口ですね。インサイドセールスの立場として、状況を丁寧に伺い、お困りごとをヒアリングしたうえで「今後はこのような流れで進めていきましょう」と指針をお伝えし、最終的に機器をお預かりするまでを担当しています。
――具体的な業務は、どんなものがありますか。
矢口:メインは電話対応です。お困りのお客様からのお問い合わせに対する対応が割合としては最も大きく、あとは処理業務ですね。
メールでのお問い合わせへの返信もありますし、来社で機器を持ち込まれる方への来社対応を、アドバイザーが対応する場合もあります。
――来社の時は、社内案内まで行うんですか。
矢口:基本的には社内見学のような案内までは行っていません。来社対応は、カウンセリング(フィールドセールス)が中心なので、受付後に会議室へご案内し、お待ちの方を部屋にお通しするところまでが対応範囲になります。
――ルーチン業務として、日々やっていることはありますか。
矢口:「電話を取る」という対応の中に組み込まれているものが多いです。あとはメール問い合わせの件数報告と、朝のルーチンで言うと、夜間に来た問い合わせ件数のカウントですね。勤怠報告もあります。

■09:00|出勤〜朝礼・朝業務→午前対応
――出勤から退勤まで、1日の流れを教えてください。
矢口:9時に出勤して、まず朝礼があります。9時台は「朝業務」と呼んでいて、夜のあいだに届いたメールへの返信や、前日の問い合わせ数の確認、勤怠の報告などを行います。
あわせて電話転送の切り替えもします。DDSでは、9時から21時までは本社で電話を受けていて、21時から翌朝8時59分までは夜間対応の担当者に転送される仕組みです。そのため、朝のタイミングで電話を本社対応に戻します。
朝業務は各メンバーに振り分けられていて、担当のメンバーがそれを終えてから、実対応、つまりお客様の電話を取って話していく、という形になります。午前は、朝業務が終わったらお客様対応がメインですね。12時くらいまでそういう動きです。
■12:00前後|休憩
――休憩の取り方について教えてください。
矢口:休憩自体は、原則として12時から1時間取る形になっています。ただ、全員が同じ時間に休憩に入るわけではなくて、その日の現場の状況を見ながら調整していますね。
――勤務体制はどのようになっているんでしょうか。
矢口:今は、朝から勤務する早番シフト(9:00~18:00)と、午後から出勤して夜まで対応する遅番シフト(12:00~21:00)の2つがあります。業務時間帯に応じて、この2つのシフトで回しています。
――休憩に入るタイミングは、どう決めているんですか。
矢口:基本的には、12時にB勤のメンバーが出社して体制が整ったタイミングで、A勤の人が休憩に入る流れですね。ただ、A勤の人数のほうが多いので、一斉には出られません。
――その場合はどう回しているんでしょうか。
矢口:そこは分割していて、12時に休憩に入る人もいれば、13時に入る人もいます。現場の状況を見ながら、無理が出ないように休憩を回していく運用にしています。

■13:00〜18:00|午後の実対応+折り返し+発送確認
――午後はどのような動きになりますか。
矢口:午後も基本は問い合わせ対応が中心です。新規のお客様への電話対応に加えて、つながらなかったお客様へ折り返し連絡し、状況を確認したうえでご案内します。13時から18時をメインに、13時・16時・18時のタイミングで、機器発送予定のお客様へ発送確認の連絡を行い、集荷トラブルなどがないかも含めて配送状況を管理しています。
――退勤前は、何をしていますか。
矢口:9~18時シフトのメンバーは、退勤前に日報を記入しています。その日の対応結果がどのような数字で着地したのかを整理し「何件対応し、何件が機器のお預かりにつながったのか」を数値で報告する、というものですね。機器をお預かりできなかった案件については「なぜうまくいかなかったのか」と要因を振り返り、次の対応に活かすようにしています。
■実際の対応エピソード
――印象に残っている問い合わせのエピソードがあれば教えてください。
矢口:印象的なのは、警察からのご相談ですね。「水没して画面が映らなくなったスマートフォンのデータを確認したい」という内容でした。過去の水没端末の復旧事例を踏まえて「状況次第では確認できる余地があります」とお伝えすると「完全に望みがないわけではないんですね」と受け止めていただき、その後、正式なご相談につながりました。
――警察からの相談もあるんですね。
矢口:ありますね。警察の中にもサイバー系の部署があると思うんですが、そこの見解も聞きつつ、うちの話も聞きたいという形でした。事例や設備の話をしながら案内する中で、一定の信用や認識を持ってもらえたのかな、という案件でした。
――普段の問い合わせだと、どんな状況でのご相談が多いですか。
矢口:つながらなくなった、繋いでも表示されなくなった、パソコンがつかなくなった、反応がなくなった、という相談が多いですね。「長く使えるものだし、そんなに壊れないだろう」という認識のお客様も多いので「長く使ってました」「長期間保管してました」というものをつないだら突然壊れた、というご相談も多いと思います。
――どんなデータがなくなって困っているケースが多いですか。
矢口:「長期間保管していました」というお客様の場合、ご家族の思い出の写真や、お子さんが小さい頃に撮った写真・動画データであることが多いですね。仕事のデータは「今日トラブルが発生しました」「1週間以内に不具合が起きました」といった直近のトラブルが多く「突然電源が入らなくなった」「ブルースクリーンが出て操作できない」といった症状が目立ちますね。

■お客様対応で大切にしていること
――お客様を対応する時、まず意識していることはありますか。
矢口:まずはお客様の話をしっかり聞くことですね。突然起こったことなので、不安な状態でテンパっている方が多いので「今どんな状況ですか」と聞いて、一旦、向こうが話すことは全部聞く。途中で差し込まないというか。
あとは傾聴と共感です。「問い合わせいただいたので、まずは安心してください」という形で、少しでも安心を持ってもらった上で話を聞いてもらえるように意識しています。
――入社当初は、そこに戸惑いはありましたか。
矢口:ありましたね。今であれば、初めて聞く症状でも「いったん安心して大丈夫です」というスタンスでお話しできますが、入社して対応を始めた頃は、分からない症状を聞くと、こちらの不安や「分からない」という気持ちが声色に出てしまっていたと思います。
電話対応では、声色がお客様の印象の大部分を占めます。特に第一声や、しっかり傾聴したあとの最初のひと言は、場数を踏む中で身についてきた部分だと感じています。
――「聞いたことのない症状」でも対応できるようになった理由は何ですか。
矢口:対応を重ねる中で、自分の中にある「カテゴリー」が少しずつ増えていった感覚ですね。すべてを暗記するというよりも、「こういう状況ならこのカテゴリー」といった引き出しが増えていって、当てはまるケースがあれば、その引き出しを使ってご案内できるようになってきました。
――日々の問い合わせ数も多いと思いますが、その点は成長に影響しますか。
矢口:そうですね。日々の問い合わせ数が多い分、自然と経験を積める環境だと思います。現状では、1日あたり130件前後の問い合わせがあるので、場数を踏みやすいですし、そういう意味でもPDCAのサイクルを回しやすい環境だと感じています。

■仕事のやりがいとマインドセット
――この仕事を続ける中で、やりがいは何でしょうか。
矢口:今はチーム長として仕事をしているので、フロントのメンバーが目標を達成できたり、1日を良い数字で終えられて、その積み重ねでグループ全体の数字が伸びたときに、やりがいを感じます。フロントメンバーの達成を支えることや、グループ達成に向けて動いていくことが、今の一番のやりがいですね。
――マインドセットとして特に大事にしていることはありますか。
矢口:モチベーションを一定に保つというか「自分の機嫌は自分で取る」という意識を大切にしています。
数字を追う立場なので、どうしても浮き沈みはありますが、気持ちが落ちていると案内が雑になったり、声色がトーンダウンしたりして、それがそのまま数字に影響してしまいます。
だからこそ、気持ちの部分はできるだけ一定に保ち、安定したクオリティでパフォーマンスを出せるよう心がけています。
――「一定」を保つコツはありますか?
矢口:オンとオフははっきり分けるタイプなので、休みの日は仕事のことはほとんど考えません。「昨日は数字が良くなかったな」と思うこともありますが、あえて引きずらないようにしています。考えてもあまり良いことはないので、「昨日は昨日、明日は明日」という感覚で、割り切って仕事に向き合っています。

■仕事の難しさ・チームマネジメント
――仕事をしていて、難しいと感じるのはどんな場面ですか。
矢口:お客様もそうですし、グループ内のフロントメンバーもそうなんですけど、対人なので感情が伴ってくるところですね。
ひとりひとり、今の気持ちがどうで、どういう対応をしたらいいのか。そこはカテゴリーではなく、その人に合うように対応していかないといけないので難しいですね。
――今のチームの人数と、見ている範囲を教えてください。
矢口:自分のチームは4人です。ただ「この4人だけを見ていればいい」というわけではなく、月間や日々の成績を見ながら、「今、この人はどんな気持ちでいるのか」を意識して問い合わせの割り振りをしています。とはいえ、日々状況が変わるので、その判断はなかなか難しいですね。
誰かに負荷が偏ってしまうと、別のメンバーの動きが鈍くなり、モチベーション管理にも影響が出てしまいます。チーム運営としては、未達成の3割のメンバーを無理に引き上げるよりも、安定して達成できている7割のメンバーの力を活かし、グループとして目標を達成できれば良い、という考え方もあります。
その一方で、成果が伸び悩んでいる3割のメンバーに対しては、数字だけを求めるのではなく、気持ちを落とさずに働けるよう、どう関わるかを常に意識しています。この両立をどう図るかが、マネジメントで一番難しい部分ですね。
■チーム長として得られた成長とは
――今の役割を担って、得られた成長は何ですか。
矢口:メンバーの意欲の管理です。気持ちが下がりすぎないようにしながら、グループ全体として最大化できるよう、各メンバーの状況や数字を見て「どう個別に接していくか」を考えて実践しています。そこは、フロントを担当していた頃から一つ成長できた部分だと思います。
機器のお預かりにつなげられない状態が続いているメンバーに対しては、フィードバックや振り返りを行い「ここが原因で失注したと思う」という本人の話をもとに、要因を整理して言語化し、伝えるようにしています。
そうした分析や伝え方も、以前より身についてきた部分だと感じますね。
――一緒に働くならどんな人が合うと思いますか。
矢口:組織として稼働していくので「周りとちゃんとコミュニケーションを取った上で、チーム・グループの利益を最大化できるように、周りを見て行動できる人」ですね。
あとはPDCAを回して改善していく仕事なので、フィードバックを受けたら即取り入れて実践してみる、そのサイクルをガンガン回せる人。つまずいても起き上がればいい、くらいの考え方を持ってくれている人が合うと思います。
※本記事の内容は、2025年12月15日取材当時のものです。

